6/26日(日曜日)は納車のため日中は不在となります。夕方ごろには戻る予定をしております。
申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
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- 2016/06/25(土) 23:48:41|
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毎日地味な作業なので特にブログに書くようなこともなかったりしておりますが、それでもなんとなく書かなければいけない感じなので書いておきます。

T140系のタコメータードライブはケツのカシメが外れて吹っ飛んで中のギヤが出てきているやつをよく目にします。650のは構造上吹っ飛んでは行きませんが、分解にややコツがいります。
まあ吹っ飛ぶのは仕方ないにしてもコルクで蓋をするのはいかがなものかと。ワインじゃあるまいし。

正しく修理してみるとこんな感じか。念のためにロック材を塗布してから更にカシめておくと。いつも思いますが、トライアンフは当時も今もそんなに安いバイクではないのですが、なんでこんなにテキトーな修理が多いのかと。
昔はパーツが今みたいに手に入らなかったから仕方がないとかいう話もよく聞きますが、まあそうでもないかなと。全否定はしませんが、8割ぐらいは否定しておきます。

いつもの感じでクラッチダンパーが粉々ですが、

そのあたりもきっちりとリフレッシュ。センターナットの向きが逆ですが、ダンパー組み立て用メインシャフトに仮で組んでいるだけなので気にしないでください。
クラッチダンパーラバーですが、実はテキトーに組んでいるわけではなく、ラバーにも硬さの種類がありますので、その都度、最も最適なものを選択して組んでいます。ユニット3スプリングもレイトのスルーボルトタイプとアーリーのカウンターシャンクタイプではラバーの入る感じが少し違いますので、そのあたりも考えながらやっております。
色々と試しながらやっていると、いつの間にかクラッチダンパーラバーの在庫が箱にいっぱいという状況になってしまいましたが、仕方ありません。

キックラチェットのナットが緩んでいたのでキックカバー開けるとギヤの破片が出てきて、

キックラチェットのギヤが見事に破損しておりました。一応専門店ゆえに1分で交換用のキックラチェットギヤがパーツの箱から出てきますが、たまたまです。ないものもたくさんありますが、よく消耗するところはなるべく在庫するようにしております。
ここまで書いてみて読み返してみると、なんと地味な内容なのかと思ってしまいましたが、地味でもなんでもとにかくキッチリ直って調子よく乗れればそれでいいのです。
当店は今後もこんな感じでいきます。
- 2016/06/24(金) 21:40:42|
- 修理
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リプロパーツで形状と品質において同等のものが存在するならば、無茶な修理でぶっ壊しても取り換えは効くでしょうが、実際はそういったものばかりではなく貴重なパーツもたくさんありますので、作業は常に緊張感を持って取り組んでおります。

別体T100アロイシリンダー用のタペットブロック。コイツ自体は消耗品なので貴重でもなんでもありませんが、問題はその相手側のシリンダーで、リプロも存在しない非常に貴重なパーツです。ココの交換作業ですが、タペットブロックもシリンダーもアルミで出来ているために交換圧入時にかじってしまい、途中でロックしてにっちもさっちもいかなくなって人生で掻いたことないような汗が噴き出してくるという危険度マックスな部分です。
そして、最悪の場合はシリンダー側が割れてしまい、その瞬間に頭の中で万券が十何枚かは吹っ飛んでいくという地獄に陥ることになります。ヘタすりゃ数日寝込む恐れもアリです。
というわけで、危険を回避するために色々と考えた結果、接触面の表面硬度を上げるというところに行きつきました。画像でもお分かりいただけるかと思いますが、色が変わっている部分が硬度を上げているところです。同素材で柔らかいものを接触させるとカジリが発生しやすいので、片側だけでも質を変化させているというわけです。
もちろんマイクロとボアゲージで寸法を測定したうえで仕上がりを計算して事前に切削しております。当然Oリング溝も加工。

さほどの汗も掻くことなく綺麗にフィニッシュ。今回は嵌め合い1/100ミリを狙いましたが、感触的には2~3/100ミリでも温度差を利用すればいけるのではないかと思いました。素地のアルミのままだと1/100ミリでもカジってしまい、5/1000ミリぐらいじゃないと本当に危険ですが、このやり方だとそうでもないです。
ちなみにこの表面加工は当然ながら外注なのですが、さすがはいい値段するなという料金でした。
しかし冷静に考えるとその料金を払えば貴重なパーツを壊さずに済むので、結果としては非常に安いかとも思います。
このひと手間が高いと思う人、ケチりたくなってしまうような人は、別体T100アロイエンジンには乗らないほうが賢明かと思います。
- 2016/06/13(月) 21:30:50|
- 修理
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当店のブログはパーツの画像が多くて、あまりバイクの全体画像がなかったりしておりますが、修理メインでやっていますので多少仕方のないところもあるかなと思っております。
販売メインとかで「こんな車両がございます、いかがでしょう?」みたいにやればいいんでしょうが、海外のショップにあるバイクを自分の店の在庫かのように紹介するのも気が引けるのでそういうのはやっておりません。インターネット全盛の時代ですので、誰でも見ようと思えば見れますので。
こういう車両が欲しいというようなご要望がございましたら、直接ご来店くだされば色々と海外の車両なんかも紹介することは可能ですし、自分で探した車両を海外から入れてくれないか的なご相談も承っております。
最近国内では良い出物が少なくなってきましたので、海外から輸入というのも一つの手ではあります。ただ、日本人と外国人の考え方は随分と違うところがありますので、多少の修理をするのを前提としたほうが良いかとは思います。

さて話は変わって、随分と遠方からの修理依頼のT140。色んな店をすっ飛ばしてわざわざ遠い当店を選んでくださることは非常にありがたいことだと思っております。まずは試運転から始めてみましたが、30メートル乗ってステムがおかしいことに気が付いたのですぐに引き返してそのあたりの調整をしてから各部を確かめるように乗ってみました。エンジンの不調に関しては原因がわかりましたので、その他諸々を含めて後日連絡いたします。

とりあえずプライマリーの整備は承っていたので、状態を確認するために分解しました。非常に見づらいですが、オイルシールの向きが逆です。逆ついででなんですが、フロントホイールも左右反対向きでした。逆でも組めて乗れてしまうのか!という新しい発見はありましたが、正しく組みなおしておきます。
近くに専門店がないと正しい状態のトライアンフというのがどういうものなのかを知るのがなかなか難しいことだと思いますので、依頼されたところとコチラで気づいたところはきっちり整備してお返ししようと思っております。
- 2016/06/09(木) 22:04:02|
- 修理
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71年になって登場するトライアンフの5速。それまでずっと4速ミッションだったのを時代の流れから変更します。71年当時の5速はオプション扱いで、スタンダードは4速、オプションで5速みたいなことが文献には書かれておりますが、オプションというより4速モデルと5速モデルを両方生産していたということですね。RVのVは5速の意味。設計はもちろんクワイフ。

元々4速だったところに5速をぶち込んだので、4速にはなかったようなトラブルが少々あるように思います。勿論シフトのタッチ感は4速のソレとは全く違いますし、ストロークの感じも違います。
実際73年には大幅な改良があり、72年以前のものとは違ったりしております。71,72年の5速は不具合が多く、73年に設計を見直し、71年と72年モデルに対してはCP(カートンパック)1000というもの出して対策するようにしたそうです。
パックの内容はメインシャフト1速2速ギヤ、レイシャフト1速、2速、3速ギヤ、レイシャフトのドライビングドッグとシフトフォークです。かなーりたくさん変わっておりますね。
71年、72年の5速を分解する場合は互換性の問題上、かなり注意が必要です。
それとアーリータイプのレイシャフトは一番奥側5速ギヤがサークリップタイプではなかったりしておりますので4速と5速ギヤのクリアランスがシビアです。
カムプレートの形状も途中で変更されており、初期の丸いタイプはハイギヤを外さないとカムプレートが取れないというものだったりしますし、プランジャーが当たる部分の形状も違っております。プランジャー自体も形状が1種類ではなかったりしてややこしいです。
ハイギヤのローラーベアリングもホフマンとRHPの2種類があり、ベアリングのローラー部分の寸法が違うのでそれぞれに合ったハイギヤでしかちゃんと組めなかったりしますので注意が必要です。
メインシャフトも最後のほうはキックラチェットのナット部分の寸法が違いますので交換の際はタブワッシャも含めて要確認です。
単純に5速ミッションといっても年式で変更があったりしてかなり奥が深いです。そして組むのも4速に比べると若干めんどくさかったりします。
現行クワイフのクロスミッションなんかは細部の作り込みからして違いますし、ギヤ配列なんかも違ったりしておりますので、実は当時の純正ミッションの悪いところを徹底的に見直して作られているのではなかろうかと少し思ってみたりしております。
掘り下げれば掘り下げるほどカッコよすぎて奥が深い。いいんじゃないですかね。
- 2016/06/07(火) 21:48:29|
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