少しばかり作業のほうが立て込んでおり、尚且つ夜が異常に寒かったのでブログを書くことを完全に失念しておりました。

さーて、オイル交換でもするかなー、とか言いながらオイルを抜くとオイルタンクの中から曲がったアルミの棒が出てきて、取るのが知恵の輪状態で意味がわからないので、今日は作業のことは書かないほうが良さそうです。
最近、遠方の方からのパーツ注文が数件あったりして、よくよくお話を聞くと、やはり専門ショップがないエリアではある程度の作業は自分自身でやるしかなく、何かと苦労することも多いようです。他店と比べてパーツの値段が高いのか安いのかはよくわかりませんが、当店でパーツを購入していただいた方にはちょっとしたコツだったり、取り付け方等もお伝えしたりして、なんでしたら電話なんかの場合は全然関係ない箇所の質問にも堂々と答えております。おそらくパーツ屋さんとかで購入する場合はそういうことは聞けなかったり、聞きづらかったり、もしくは売ってるのに取り付けかたは知らなかったりすると思いますので、当店のパーツの値段はパーツに関するノウハウも含めてと思っていただければ幸いです。

さて、そんな専門ショップがないエリアで悪戦苦闘をしている方にぜひとも読んでいただきたいのがこの本です。トライアンフと全然関係ないし!って感じもしますが、意外と通じるものが多いと言いますか、精神性に関しては非常に勉強になるところが多いです。決して安い本ではないのですが、お値段以上の価値があると私は感じております。簡単に内容を言ってしまうと、ロールスロイスの内装を全分解して詳細に観察しながらレストアするという正気の沙汰ではないハナシなのですが、途中、システィーナ礼拝堂とかゼロ戦とかプラモデルとかおよそクルマとは関係ない話に飛んで行きつつ、最終的にはクルマに繋がるといった非常に面白い内容で、貴重な車両を目の前にし、いざ作業に向かうときの心構えなんかも見て取れます。
二十歳そこそこでこの本を読んで「フムフムなるほど」とか言っていた私は今考えても相当ヤバい感じがしますが、この本を読み終えた後に作業をすると、自然と無理やりな作業による破壊行動が少なくなったりしたので不思議なものです。
百聞は一見にしかず。お財布に余裕のある方はぜひとも読んでみてください。
ちなみにこの本、新品の帯には「金の力で人にやらせるレストアは本物ではない」という謳い文句が書かれておりますが、当店の場合、金の力でねじ伏せられると相当な本気を出すという特徴がありますので、お近くの方はぜひとも当店を札束でねじ伏せてください(笑)
- 2016/01/30(土) 23:13:48|
- 戯言
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英国のクラシックバイクの修理をしていると、どういうことかね、コレ?というような場面に出くわすことはよくありますが、突き詰めていけば全ての箇所でそういうことがあるので、毎日やっているとなんだか非常に疲れます。

五速のハイギヤとローラーベアリングなんかにも相性があったりして、非常に困ります。ベアリングが痛んでいるとかそういうことではなく、コレはもう単純に相性です。新車を工場で組み立てていた時はどうしてたの?って感じですが、知り合いにトライアンフのファクトリーに昔勤めていたという人がいないので未だに謎です。
この部分は4速のソレとは構造が異なっており、ハイギヤのデカナットを締めてもガタが出たり、反対にロックしてしまったりすることがあり、要注意です。元々入っていたベアリングとハイギヤの組み合わせが最も信頼できるので、ベアリングが痛んでいなければむやみに交換することはないのですが、今回は元々入っていたベアリングの相性が良くないようで、ナットを締めたらフルロックしました。

右が新しいベアリングですが、このベアリングは現在私の知るところでは一社しか生産しておらず、なおかつ非常に高価です。基本的にローラーベアリングはボールベアリングに比べて高価なので致し方ないのですが。
ベアリングとハイギヤに相性なんかあるのか?と思われがちですが、実際に何台もその部分の作業をやってきたので、あるんですよ、としか言えません。
国産車と同じノリで作業するとエラいことになるというか、とにかく精度が悪いことが多々あるので、大変です。逆を言えば、国産車がキッチリ組めるのは半分は精度に助けられているということです。ちなみに、エンジンだけが精度が悪いということではなく、困ったことにほぼ全ての部分が精度悪いです。

そんな精度の悪いバイクに使うためにまあまあの精度のパーツがはるばる海を越えてやってきますが、これだけの量のパーツを片付けるのは本当に地獄で、当店ナンバー1の心の底から嫌な仕事です。

月に数回、この片付け作業を散らかしながらやっておりますが、精度の悪さと、妙な相性を兼ね備えたクラシックバイクの修理を進めるために、泣きそうになりながらやっています。
ただ、自分で海外からパーツを買い、常にパーツの最前線にいるということは、それだけで技術と知識の向上につながるので、嫌でもやらなければいけません。
てことで、今後も自分で自分を追い込んでいこうと思います。
- 2016/01/19(火) 22:32:03|
- 修理
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朱山氏から案内が届いたので、春に開催されるBRITISH RUNのお知らせをしておきます。

前回のデヴィッド・ボウイの話に絡めて言うならば、こういった集まりにもたくさんのレジェンドが参加しています。今のうちに聞いておかなければならない話、レアな話もたくさん聞けるかと思います。場所もバイクで走るのに良さげな位置にありますので、都合の合う方は是非ご参加ください。
詳しくは当ブログのリンクからUKマスターのブログに飛んでいただければ記載されております。
また日が近くなりましたら改めてお知らせいたします。

さて、何となく片付かないというか狭苦しい感じになってきておりますが、

なんだかんだと仕事はしております。

オルタネータが発電しないのを直してみたりしておりますが、当店は専門店なので発覚後は速やかに修理へと移行します。
世の中、不調のまま乗り続けていたり、不調を好調と勘違いしたまま乗り続けている車両がたくさんあるんだろうなと想像してしまいます。
当店は姫路という過疎地なので、なかなかバイクを持って行くということにならないのか、当店の知名度がいまひとつなのかよくわかりませんが、最終的に当店で分解してみたら全滅でした的な個体が多いような気がします。他店で「こんなもんだろう」、というのが専門店では「有り得ないですよ」という解釈になることもよくありますので微妙なところですが。
本当は、もう少し日常的に来て欲しいなーとかも思ったりしますが(来ていただいている人もたくさんいますが)、そのあたりは本人の自由なので仕方ありませんね。
ただ、最終的に当店で分解してとても具合が悪かった場合、そのことをオーナーに伝える時と、高額になってしまった請求書を書いている時の私の気持ちとしては、非常に気まずかったりします。
- 2016/01/12(火) 23:08:35|
- お知らせ
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デヴィッド・ボウイが死去した。
死なない人がいないのは重々承知しているものの、高校時代からずっと聴いてきた音楽であるのと、また一人レジェンドが亡くなったという事実が非常に残念です。
デヴィッド・ボウイの曲を聴くと個人的に色々と思い出して、あの時の自分はこんな感じだったな、というような当時の情景がいくつも頭に浮かびます。
夕方ぐらいにヤフーのトップニュースで知ったのですが、色々想うところがあって、しばらく何も作業が出来ない状態でした。

人は老いてそのうち必ず死にます。そして世代交代がおこなわれるのですが、技術、知識、文化、思想など、しっかり受け継がれなければいけないものが必ずあり、それらをきっちり継承していくことが、本当に大事なことだと最近はよく思います。
私自身、時間とお金が許すのならば、イギリスに渡ってLes Williamsに弟子入りし、トライデントの勉強を一からしたいぐらいです。
考えもまとまらず、いまひとつ筆も進みません。文章も支離滅裂な感じがするので今日はこのへんでやめておきます。
享年69歳、最期までロック
今日は家に帰ってスターマンを聴こう
- 2016/01/11(月) 22:15:08|
- 戯言
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ブログを書こうと思いつつもあまり書けていないこの頃ですが、トライアンフ専門店なので大体の作業の内容も似ており、あまり書く気がしないというのが現状です。
「そんなもん知るか!」と割り切って同じ内容を書くか、それとも目新しい出来事があるまで書かないかというのは、私にとって姫君の秘めたる部分ぐらいデリケートな話題です。

つーことで今回は過去にも書いたような内容でいってみます。
プライマリーのクラッチドア裏側付近からオイルが相当漏れるということで修理依頼を受けましたが、とりあえずプライマリーカバーを開けてすぐにプライマリーチェーンのテンショナーがやや弓なりになっているのが気になります。実際この状態でもチェーンはかなりダルダルでしたので、チェーンは交換必須です。ステータコイルが表裏反対ですね。案の定、チェーンで配線のカバーチューブを軽くコスってましたが、コスって気持ちいいのはその部分ではないということです。

クラッチのプッシュロッドが手で引っ張っても抜けてこず、何とか抜いたら鬼サビでした。途中で引っかかってもらっては困るのでコイツも交換。棒がとても気持ちよくヌケるというのは男子にとって重要な問題だったりしますので。

チェーンガードは積年の油で忍びないほどギトギトになっていたので洗浄しておきました。お店で嬢を選ぶ場合、オプションプレイで一体何ができるのか、そしてその金額はいくらなのかということが気になりますが、当店の場合はこんなことでイチイチ洗浄代金とかは貰っておりません。つまるところサービスという名を冠した優しさです。キレイなことは良いことですね。

ハイギヤのオイルシールは二分割に分断しており、単なる輪になっておりました。オイル漏れの大半はコイツが原因と思われます。「多い日も安心」というようなことは英車には通用しませんので、漏れないように対策しながら組むことが重要です。
派手なカスタムとかでブログが書ければいいんでしょうが、基本的に修理がメイン業務なので、今年も当店ブログは地味に似たような内容で攻めていくしか方法がなさそうです。軽く下ネタをかましながら書いてみたら違った雰囲気になるかと思いきや、どうやらそんなことはなさそうです。
イベントなどで私を見かけたときに、「似たようなことばっか書いてんじゃねーよ!」とかのツッコミはどうかご勘弁ください。
- 2016/01/09(土) 21:43:34|
- 修理
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あけましておめでとうございます。初日からたくさんのご来店ありがとうございました。
なんだかんだで2016年が始まってしまいましたが、暖冬のせいか昼間がやけに暖かいです。

RUSTLESS前田氏よりプレゼントが届いておりました。イギリスのクラシックバイク業界の中では最もメジャーな雑誌です。
全部英語ですが、なかなかおもしろい雑誌で、私も以前に定期購読しておりました。店に置いておきますので読みたい人はご自由にどうぞ。現地でのバイクの価格なんかも載っていますので、読みながら最近の値上がり具合も感じてください。

一昨年の英車の集いの記事が載っています。前田氏の記事ですね。遠く離れたイギリスで日本の英車のことが雑誌に書いてあるというのは本当に素晴らしいことだと思います。英文で記事を書くということも凄いです。さすが前田氏、脱帽ですね。
というわけで、今年もバイクで楽しく遊びましょう。
皆様、2016年もラウンドアバウトをどうぞよろしくお願いいたします。
- 2016/01/04(月) 21:53:03|
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